【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「…仁菜」
『…ん』
ベッドの中で肩肘をついた翔は、私の頭を撫でながら私に視線を注ぐ。
露わになった身体に、どこに視線を向ければいいのかなんて、やっぱりわかんなくて…私は瞼を閉じる。
この時間が嫌いとかじゃない。
ただ、さっきまでの事をどうしても思い出してしまって、気恥ずかしい。
「仁菜はまだ高校生だけど、卒業したら…一緒に暮らそう」
その言葉に閉じていた瞼を開ければパチリと合う目線。
翔はフッと笑って「考えてて」って言ったんだ。
その言葉が嬉しくて、自然に笑みが零れる。
翔、考えなくても答は決まってるよ?
『私も、翔と暮らしたい』
そう言って自分が裸なのも忘れて翔に抱きついた。
翔はそんな私に甘い、深いキスを落として、その日は結局殆ど寝ないまま、仕事に向かう羽目になった。