【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
駐車場に着いたとき、車に背を預けていたガミさんが私に気付いて近付いて来る。
「仁菜…ちゃんと話せたのね?」
そう言った顔は疲労感が満載だった。
『ありがとう。ガミさんのおかげだよ』
言って、ガミさんの胸に抱きつく。
…心配かけてたんだよね?
本当のお姉さんだったガミさん。
いつも暖かく見守ってくれる、ガミさんが私は大好きだよ。
「仁菜…先に乗ってろ」
ガミさんと熱い抱擁を交わしていた私を引き離して、車に乗せた翔。
そのままドアを閉めて、ガミさんと2人で話し出した。
車から少し離れた2人の会話は全く聞こえない。
…なんだろう?
気にならないわけじゃないけれど、車内に流れるQuartetの曲を聞いて待っていた。
…それは多分ガミさんが、気を利かせて流してくれてたんだと思う。