【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
夕暮れの室内。
閉められたらカーテンの隙間から漏れる明かりはオレンジで暖かい色をしていた。
布団にしがみつく女の子に誰かが手を伸ばすけれど、その人の顔は見えない。
頭に手を伸ばされた女の子はびくっと大きく肩をゆらしていた。
まだ幼さの残る少女は染めてないアッシュブラウンの髪。
グレーがかったくっきり二重の瞳には大粒の涙。
白すぎる肌とは裏腹な赤い唇。
……あれは、私…?