【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「榎本君、何か言うことあるでしょう?」
ギロリと榎本海斗を睨みつけるガミさんに、今までに感じた事のない底冷えするようなものを感じる。
顔は笑っているのに、目は笑っていない。
多分、ガミさんは怒ってる。
そういえば昨日、殴ったって言っていたな。
昨日は信じられなかったけど、それは嘘じゃなかった。
…だって私の前まで来た榎本海斗の口端は切れて赤くなっているから。
「…悪かったな」
『………』
ばつの悪そうな顔をして、頭を下げた榎本海斗に何を言えばいいのだろうか…?
ただいきなり態度が180度変わって困惑するしかない。
彼に何があったのだろうか…?