【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
パンパンと手を叩いたガミさんは、今までとは打って変わって明るい声を出した。
「じゃぁ気を引き締め直して、仕事するわよ。仁菜夕方からは、昨日の謝罪行くから」
『はい』
「じゃぁ、今はレッスンに行って。榎本君は…始末書…ね?」
「……はい」
がっくしと肩を落とした榎本海斗だけれど、ガミさんは「当たり前よ」フンッと鼻を鳴らしていた。
それは私が初めてガミさんを敵に回すまいと思った瞬間でもあった。
そんな2人を見送って私は、事務所のドアを閉め珠璃と亜美奈の元へと急いだ。