【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
私の話を聞き終えたスタジオ内はシーンとしていて、空気は重苦しい。
亜美奈は涙を瞳に溜めていて、珠璃は号泣していた。
『…ごめんね?こんな気持ちで芸能界にいて…でも!これからは…ふぶっ!』
“頑張るから”
その言葉を口にする前に珠璃にほっぺたを抓られた。
……え?
「何言ってんだよ。そんな事で謝るなよな」
「そうだよぉ〜みんな多かれ少なかれそんなもんだってぇ〜」
2人はにこりと笑って私の頭を撫でる。
…いや撫でくり回している。
『そう…かな?』
ボサボサになった髪の毛を手櫛で整えて2人を見上げれば。
「そうなんだよ!私も亜美奈も抜くときゃ抜くだろっ!?それと一緒!!」
うんうんと頷く亜美奈と有無を言わせない雰囲気を漂わせる珠璃だけれど、顔には泣いた跡がくっきりとある。
…なんか違う気もするけれど、こんな私を許してくれてるんだって事は、なんとなくだけれどわかった。
そんな2人の気持ちに甘えて、初めて自分が一番年下だって認識した。
やっぱり私は17歳で珠璃は20歳。亜美奈は23歳なんだと。