【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「ちょっと、翔。彼女起きたばっかだから…」
「テメーは黙っとけや。ヘボマネージャー」
黒髪は眼鏡の人をよけて、私の目の前に来た。
翔と呼ばれた彼は、ただただ呆然としていた私に酷く低い声を出す。
「…お前、今お前のマネージャーがどうしてるか知ってるか?」
『……は?』
すっごい睨みながらそんな事言うから、思わず聞き返してしまった。
だけなのに…
「テメーのせいでマネージャーは謝って回って、ほかのメンバーもお前の代わりに収録行ってんだよ!」
いくら個室だからって病院でその大声はどうかと思う。
そして物を蹴って威嚇するのもやめて欲しい。
彼の言動に思わず眉をしかめたけれど
『…すみません…』
やっぱり私が悪いから謝っておこうと思った私の声は、蚊の鳴くような小さな声だった…