【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
だけどこれは言っていい事なの?
翔は杏里ちゃんに言っていないはず。
だからこうして私に聞いてきてるんだ。
翔が言ってない事を、私が言っていいの?
やりたい放題で、思い通りにいかなければ、機嫌が悪くなるらしい杏里ちゃん。
そんな彼女に私が翔と付き合ってるなんて言ったら、杏里ちゃんはどうする…?
スキャンダルは勘弁してねと言うガミさんに、迷惑をかけてしまうかもしれないんじゃないのか…
杏里ちゃんに本当の事を言って、大丈夫なんて保障はどこにもない。
『…付き合って、ないよ』
カラカラになった口を開きそう言うのがやっとだった。
指先は血が通ってないくらいに冷たい。