【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
事のいきさつを話した私に「すぐ戻る」と言って切れた電話。
とにかくガミさんが心配で、額に浮かぶ汗をタオルで拭っていた。
20分もしない内にガチャリと玄関が開き、両手に大量の荷物をぶら下げた涼が帰ってきた。
真っ先にソファーでぐったりとするガミさんに駆け寄った涼。
「千夏さん、今部屋連れてくから」
意図も軽々と持ち上げた涼は、軽やかにベッドにガミさんを下ろす。
「仁菜、千夏さんの熱は?」
『…わかんない。でもすごく熱かった』
不安な事が顔に出ていたのか、涼は「んな顔すんな」って言って私の頭をぽんぽんと撫でた。