【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
結局ガミさんの熱は38度7分と高熱だった。
リビングに戻り涼の存在に安心した私に掛かる声。
「お前、メシは?」
まだだと言う意志を首を左右に振ることで伝え、涼が立つキッチンに行く。
涼は雑炊を作っていて、その手捌きは流石と言うかなんというか…
バーを経営するだけはある。
ガミさんが料理音痴なのに対して、料理が得意な涼。
そんな涼が作る姿を真横でジッと見ていた。
「なんだ?」
『…涼、仕事は?』
「休み」
『ふーん』
「ふーんって…お前が聞いたんだろ?」
『まぁ、そうだけど…』
涼は呆れを含んだ眼差しで私を見下ろし、雑炊を火にかける間に何かを作り始めた。