【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


先に出来上がった雑炊をガミさんに食べさせろと、薬と一緒にお盆を手渡した涼。



言われるがままにガミさんの部屋に入れば、まだ苦しそうなガミさんを起こした。



『ガミさん。涼が雑炊作ったから、食べて』


「ん。ごめんね仁菜…」



口元に雑炊の乗ったレンゲを持って行けば、少し開いた口にレンゲを差し込んだ。



少し申し訳無さそうな表情のガミさんに『おいしい?』と聞いたけれど「熱で味がわかんない」って言われた。



ゆっくり、ゆっくりとレンゲを口に運び食べさせていたら、部屋のドアが開き涼が入ってきた。



「千夏さん、病院行く?」


『…大丈夫。涼もごめんね』



ふぅっと息を吐いたガミさんは、もう食べる気がないのかレンゲを手で制したから、慌てて薬をガミさんに手渡す。



それを飲み、ベッドに寝転がったガミさんに、掛け布団を掛ける涼。



「…取りあえず寝てろ。仁菜、メシ食うぞ」



そう言って涼はガミさんの部屋を後にした。



『ガミさんゆっくり寝てね』



私も涼に続いて後にした。


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