【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
確かに言われた。
私以外見ていないし、他の子は女に見えない、と。
それが涼の言う“信じさせてやれるか”に繋がってくるんだと思う。
翔は態度でちゃんと現してる。
だったら私は?
涼が翔の杏里ちゃんに対しての対応を私に伝えてくる事の意味。
涼は普段こんな事、絶対に言わない。
あの会員制のバーで、業界人しかいないあの場所での出来事。
プライバシーに関わる事。
それを侵してまで言うのは、私を安心させる為。
だから『ありがとう、ごめん』伝えて席から立ち上がった。
不安になる事は当たり前だと教えてくれた涼。
珠璃と亜美奈に心配をかけて
榎本さんに、涼に甘えて
翔にあそこまで言わせた私。
うん。
信じる。
「不安になってまた立ち止まるかも知れねぇ。また揺らぐかもしんねぇ。だけどその時はこうやって寄りかかればいい」
最後穏やかに微笑んで私の頭を撫でた涼に『うん』素直に頷く。
私は信じれる。