【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「で、黒髪パーマが遠藤大和(えんどうやまと)19歳」
「よろしく。俺兄貴役だから」
それによろしくお願いしますと返した。
「最後があの不機嫌野郎こと長谷川翔(はせがわしょう)18歳〜」
最後は何故か眼鏡青年ではなく、大河が翔を紹介してくれた。
「ちなみに仁菜とは恋人役〜」
陽斗がゲラゲラ笑いながらチャチャ入れるもんだから、翔の不機嫌さは更に悪化した。
「………」
『………』
…うん。
ごめんね。
無理だわ。
彼と…
彼らとプリメーラを演るのは無理だわ…
なんて頭で考えていたら
「てめぇ今更降りるとか無理だからな」
ぼそっと、でもはっきりと翔が口にした。
…わかってますよ。
クランクインも終わった今、降りるなんてできない事は。
まぁ、それに答えることは、とてもじゃないけどできなかったけど。
これがQuartetとの出会いだった。
ちなみに眼鏡青年の名前は藤村優人(ふじむらゆうと)30歳。
ガミさんと同い年だった。