【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
朝帰るわけだから、元々もうすぐ起きなきゃいけなかった。
「…大河、起きて」
床に寝転がる大河に声を掛け、その身体を揺さぶる。
なんで大河はビールビン抱えて寝ているのだろうか。
そっとそこからビールビンを取り除く。
てか、くさっ…
大河かなりお酒臭い。
顔を顰めて目の前の人物を見る。
「あー…アミ、もう朝…?」
グラグラ揺すっていた私の腕を掴んだ大河はそのまま―…
『…ちょっ…大河!何寝ぼけてるのっ!?』
私アミじゃないっ!
アミじゃないから離してっ!!!
大河の腕に閉じ込められ、後ろから抱きしめられる。
マジで勘弁して!!
大河はまだ寝ぼけているのか「ん〜…」口をむにゃむにゃ言わせている。
あたふたする私を余所に、バシンッ!後ろから物凄い音がした。
「…ってぇ〜」
それと同時に解放された身体。
私は慌ててそこから這い出し、寝ぼける大河を睨んだ。