【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『なんか、久しぶりだね』
「…なにが?」
『こうして、一緒に寝るの…』
呟けば向かい合った顔を引き寄せて、優しく甘い口付けを落とす。
そのままギュッと抱きしめられたから、翔の胸に頭を寄せた。
「あー…一緒に暮らしてぇ」
頭の上に落ちた言葉はそんな嬉しいもの。
それにコクリと頷き、笑みを零す。
私もそう思ってるよ。
1日の始まりと終わりを一緒に過ごせるって、素敵な事でしょう?
「…仁菜、愛してる」
シトラスの匂いに包まれながら目を閉じれば、最大級の言葉をくれた。
『私も、愛してる…』
穏やかな夏の夜。
冷え冷えとする室内。
ベッドの中で抱き合いながら、翔の温かさを求める。
大好きな人に包まれながら眠った私は、とても幸せな夢を見た気がした―…