【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「「「お疲れ様です」」」
スタジオを後にして、控え室に帰る。
「なぁ結局何だったんだよ?」
…しつこい朱璃。
私の隣を歩きながら、何回目になるかわからない言葉を吐き出す。
収録中もコソコソと聞いてきていたけれど。
『…もういいじゃん』
「気になるんだよぉー」
気にしないでいいでしょ。
廊下でじたんだを踏む朱璃を横目に、スタスタと歩く。
「あれでしょ?仁菜をよろしく〜とかだったんでしょ〜?」
…なんでわかったの。
私達より前を歩く亜美奈はクルリ振り返り、ふふんと鼻で笑う。
私の顔を見て「当たりかぁ〜」満足そうに再び歩き出した。
「もったいぶるからなんだと思えば…」
ふぅっ息を吐き出した朱璃は固まる私の肩をポンポンと叩く。
そして―…
「まぁ良かったな。認められて」
ニヤリと笑った。
『…ありがとう』
なんだか照れくさくて、ぼそりと呟いたけど朱璃にはしっかり聞こえていて、ポンポン更に頭を撫でられた。