【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「あっ!パパっ」
ひょいっ、健を抱き上げた優人。
「なんだ?まーた大河に虐められたか?」
「うん!仁菜お姉ちゃんがケッコンするって!しないよね?しないよね!?」
首をイヤイヤと振りながら、優人に確認する健だけど…
仁菜はもう入籍したのよ。
「なーんで健は仁菜大好きなんだか…藤村育て方間違ったんじゃねーか?」
「ははは…」
健を抱き上げたまま優人の肩に手を乗せる榎本君。
相変わらず失礼な奴ね。
「それにしても翔もこんな豪邸建てるとはね!」
2階建てのレンガ作りの家を見上げて歓喜の声を上げる陽斗。
確かに豪邸。
「陽斗も建てれば〜?」
「バッカじゃないの!建てても1人じゃ意味ねーよ!」
「確かに。陽斗、私と一緒に住むか?」
ひょっこり顔を出した朱璃はゲラゲラ笑いながら、陽斗をからかう。
…やめなさいよ。
陽斗は「そんな事したら大和に殺される!」顔を真っ赤にして朱璃を睨みつける。
しかし、背が伸びても陽斗は相変わらずチワワみたいね。