【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
クラッカーが一斉に鳴る。
翔と現れた仁菜は一瞬驚いた顔をして、目を細めて笑った。
『ありがとう』
それはとても穏やかな声で、とても幸せそうな2人にあぁ仁菜も成長したな、と目頭が熱くなって零れた涙を誰にも気付かれない様に拭った。
簡単に作った白い花束を亜美奈がブーケ代わりとして仁菜に持たせる。
「仁菜お姉ちゃーんっ!」
『健っ』
仁菜に向かって突進して行く健は、仁菜に抱き付く前に翔に抱き上げられていた。
「翔っ!はなせぇっ」
「ダメだ。仁菜に突進したら危ねぇだろ」
危ない…?
ジタバタと暴れる健を余所に、翔は私たちの方にくるり振り返って爆弾を落とした。
「…仁菜、妊娠してるから」