【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「「「「「はっ!?」」」」」
見事にその場全員の声がハモった。
え?
妊娠?仁菜が妊娠…?と混乱しながらも目を向ければ『今11週目だって』お腹を愛おしそうに撫でる仁菜。
「えっ…?嘘〜?」
「まさか仁菜に先越されるなんて思わなかったなー」
朱璃と亜美奈は仁菜のお腹をさすりながら、それぞれの言葉を吐く。
「俺また叔父さんになるのかよー…」
「まぁまぁ」
嘆く涼を優人が宥める。
涼も早く結婚すればいいのに。
我が弟ながら心配になる。
「仁菜、おめでとう」
「仁菜が母親か〜」
「良かったな?健?いとこができるぞ〜」
「…いとこ?」
ポカン、首を傾げる健に大河がいとこの説明をするも、4歳児。理解するはずがない。
…それよりも…
辺りをグルリ見渡して、奴を探す。
わいわいと騒がしい庭から離れて、リビングのソファーで1人タバコを吸うそいつの元へゆっくりと近付いた。