【完】白い花束～あなたに魅せられて〜

そのあまりにもでかい声量に私達はもちろん、スタッフまで肩を震わせて驚いた。



…もちろん翔も。



派手に跳ね起きた翔は“別に吃驚してないよ”的な雰囲気を出していたが、私にもたれ掛かってたから私にはモロバレだった。




「“おはよーお姉ちゃん”」


『“…おはよう、弘”』



笑顔で近寄って来たのは私の弟役を演じる陽斗。



今日も人懐っこい笑顔を振り撒く陽斗とは、何故か役になりきって挨拶するのが当たり前になっていた。



同い年なのに、弟役の陽斗は私から見ても同い年には見えない。



…なんか可愛い系？
うるうるした瞳がチワワみたいな陽斗は、Quartetでも可愛い担当らしい。



その日の陽斗の演技はどうしたの？ってくらいバッチリで、ほとんどミステイクをする事なく撮影は終わった。