【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「じゃぁさBOTCH行こうよぉ」
「おーいーねぇっ!」
「どこなんですか?それ」
「まぁ着いてくればわかるって!」
はしゃぐ亜美奈と珠璃。
こうして今日も私の意志とは関係なしに話が進む。
まぁ、久々だし?
社長も連絡したら待っててくれるだろう…そう思った私の肩にぽんと軽く触れた手。
「仁〜菜チャンっ」
『…ナンデスカ』
気づけば隣にフェロモンだだもれの男、大河がいた。
できればその色気はしまって欲しい。
「ははっなんでカタコト?」
『…別に』
あの日、大河の人となりを見た私は少し奴に一線引いていた。
「今度俺とキスシーンだねぇ」
そして今一番したくない話題を提供してきた。
その言葉にイライラして『……フリでしょ』と冷たく言えば
「フリ、だねぇ」
にやにやと私を見て、含みのある言い方をした大河に嫌悪感を抱いた。
「つれないなぁ、仁菜ちゃんは」
『…は?』
「俺、結構上手いよ。試してみたくない?」
大河は私の耳元でそう囁いてほっぺにキスをした。