【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『……っ私帰る』
その行動に完璧にキれた私は、自分でもびっくりするくらいの低い声がでていた。
「えっ!?仁菜?」
「みんなでご飯はぁっ!?」
戸惑う珠璃。
完全にみんなで行くと思っていた亜美奈は、頬をぷくりと膨らましている。
……可愛いな。年上には到底見えない。
みんなでご飯、行くつもりだった。
つい今までは。
たまにはそんな事してもいいなんて思ってた私は、いつからコイツらと仲良くなってたんだろうか…?
でも、このフェロモン男、大河のせいでそれはもう無理。
私に“男”を見せないで欲しい…私をそうゆう対象にしないで、欲しい。
私をまだそのカテゴリに入れてるんなら今すぐ除外して欲しい。
若干震える足を勢いよく踏み出して、奴らを振り切るように颯爽とこの場を去った。
…はずだった。
『……なに?』
コイツに腕を捕まれるまでは。