【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
結局和食にしようという社長の言葉で、今日の御昼ご飯が決定した。
都内の隠れ家的料亭に向かった私達は個室に通される。
目の前に広がる海鮮料理を見てすでにお腹いっぱいになりそうな私は、涼にさり気なくご飯を横流ししていた。
ご飯を食べながらお互いの近況報告をしていたら、予告通り遅れてやってきたガミさんが顔を出した。
…近況報告なんて、しなくても社長はガミさんや、涼から私の事聞いてると思うけど。
「ごめんね、遅れて」
そう言って社長の隣に座ったガミさん。
私の隣には涼。
その向かいに社長。
その隣はガミさん。
端から見ればおかしな関係なのかもしれない。
私だけが異端者。
でもこの状況に違和感を感じる者はいない。
社長もガミさんも涼も。
…もちろん私も。