【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
11歳の時に拾われた私達の間には、6年という月日が流れていた。
今となっては普通の光景、状態。
いつも優しい社長。
姉のような存在のガミさん。
私の聞き役になってくれる涼。
私にはかけがえのない存在達。
だから私は一生をかけて恩返ししたいと思ってる。
ガミさんみたいにマネージャーとしてでも雑用としてでも、相模芸能事務所の手伝いをしたいと話した私に社長はこう言った。
“仁菜ならアイドルになれるよ”
それが当時15歳だった私がアイドルになる第一歩だった。
ただ15歳という年齢はまだ子供。
10時以降は働けないらしい。
子供だと言う事実がすごく嫌だった。
…だから反対をする社長やガミさんを押し切って私は18歳という形でデビューしたんだ。
周りに守られる自分が嫌だと、我が儘を通す自分もまた子供なんだと、この時は気付かずに。