【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


その視線にうんざりしながらやっぱり今日こそは図書館に行こう、と踵を返した私にデジャヴな光景。



「仁ー菜ぁー」



呑気な声を発して今日も私目掛けて、一直線に突進してきたちひろはそのまま私の胸に顔を埋めた。



…なっ、何してんの?



私の胸に頬をすり寄せるちひろに、自分の出せる精一杯の力で彼女をそこから引き剥がした。



「あー柔らかかったのにぃっ」



ぶーたれながらも変態発言をしたちひろは、もう一度トライしようとしてたので、頭を掴んで動きを強制的に制止させた。



『…朝っぱらから、何?』



胸の前で腕をクロスして彼女を睨めば「久々の仁菜を堪能してたのぉ」何ともキモい発言をしてきた。



そして更なる好奇な視線を浴びた私…というよりこの場合はちひろだと思うけど。



…勘弁してよ。


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