【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
図書館が9時からしか開かないから、まずは学園内にあるカフェに向かって時間を潰そうと考えた。
学園内のカフェとは、この業界人が(主にマネージャーとか)が待ち時間に使ったり、ちょっとした打ち合わせに使うカフェの事。
あそこならまだ人もそんなにいないだろう…
抱きつこうとするのをやっと止めたちひろは、何を思ったか今度は私の腕に絡みついていた。
…いや寧ろしがみついていた。
「教室行こー」
『…今日は嫌』
その会話を5回繰り返した私とちひろは防戦一方だった。
そして最終的に珍しく折れたちひろは私に着いてカフェにやって来た。
カフェに入ったのが初めてなのか、辺りをキョロキョロと見渡すちひろはまるでおのぼりさん。
注文したカフェオレを受け取って席に座ると、ミルクティーを手に持ったちひろが声をあげた。
「あそこに“プリメーラ”のポスター貼ってあるよ!」