【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


「そういえばQuartetのみんなはどう?」


『…何いきなり』


「だってイケメンじゃん。デビューして益々熱狂的信者増えたんじゃないの〜?」


『…知らないよ』



嘘。
本当は知ってる。
奴らに熱狂的ファンが増えてる事は、一緒に出た歌番組で嫌と言うほど実感させられた。



勢いがありすぎて引くほどに。


初めてアイドルグループQuartetを目の前で見せられた時、衝撃を受けた程。



普段見せない笑顔。
必死に覚えたとは思えない軽やかなステップ、身のこなし。
甘く低い囁くような声に私は身震いした。





こんなにも“アイドル”を見て興奮したのは後にも先にも彼等だけだった。



「ほら、前に私もちょっと出るって言ってたでしょぉ〜?」


『…いきなり話飛んだね』



会話をいきなり180度曲げたちひろは自由人だった。


< 72 / 410 >

この作品をシェア

pagetop