【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「そういえばQuartetのみんなはどう?」
『…何いきなり』
「だってイケメンじゃん。デビューして益々熱狂的信者増えたんじゃないの〜?」
『…知らないよ』
嘘。
本当は知ってる。
奴らに熱狂的ファンが増えてる事は、一緒に出た歌番組で嫌と言うほど実感させられた。
勢いがありすぎて引くほどに。
初めてアイドルグループQuartetを目の前で見せられた時、衝撃を受けた程。
普段見せない笑顔。
必死に覚えたとは思えない軽やかなステップ、身のこなし。
甘く低い囁くような声に私は身震いした。
こんなにも“アイドル”を見て興奮したのは後にも先にも彼等だけだった。
「ほら、前に私もちょっと出るって言ってたでしょぉ〜?」
『…いきなり話飛んだね』
会話をいきなり180度曲げたちひろは自由人だった。