【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
あの後ガミさんに浴びせた言葉は、彼女にはとても酷だっただろう。
…あれは絶対に今日自棄酒だ、と確信できた。
そんな彼女はしくしくと泣き真似しながら「今年こそは結婚しゅる」と一言。
そして更に情けない一言を発した。
「イケメンには抗えない」
…抗えよ。
ガミさんっていつかイケメンに結婚詐欺にでも遭うんじゃないかと心配になる程。
あまりにも社会人として…いや人として?ダメダメなガミさんに私からも一言。
『…スキャンダル撮られたら、ガミさんが責任持って取り下げてよね』
告げればハッとしていきなり“マネージャー”になった。
「ダメ!だめだめっ!」
「スキャンダルはダメっ!」と嘆くガミさんだけれど、元凶はアンタだよ、と教えてあげた。
そんな彼女は
「これからはイケメンにも…あ、抗う」
握り拳で演説調に言った。
その言葉、忘れないでほしい。
この業界、イケメンなんてごまんといるんだから。
『…ま、スキャンダル撮られない事、祈ってて』
マンションに着き車から降りる前に、最後に意地悪してやった。