【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
そして考えた。
私と翔の関係を。
客観的に考えてみたけれど、考える間もなくすぐに答えは出た。
『…仕事仲間』
「…は?」
『……学校の先輩?』
「何だって?」
真面目に答えたのに目の前の彼は、訝しげに私を眺めていた。
そしてはぁーとそれは、長い長い溜め息を吐いたのだった。
なんなのだろうか。
「俺、仁菜を甘やかしすぎたか…?」
『…?』
その言葉の意味はわからなかったけれど、ただ異様な程に涼が真剣な表情をしていたのはわかった。
「仁菜」
『…何?』
「言えよ」
『…は?』
「この前みたいに、今思ってる事お兄様に吐き出せ」
『…………』
「お兄様が聞いてやるから言ってみろ。ん?」
フッと緩められた顔からは優しさが溢れていて私はこんな涼だからこそ、甘えられるのかも知れない。