君とタンポポ


そう言い、喉をつまらせた

青年の背中をさする。

聞いた事はこたえず。

同時に稀菜は辺りを見回す。

「…ねぇ、前は十匹ぐらいの
猫達がいたのに
みあたらないけれど
どこにいったの?」

そう聞く稀菜に青年は

食べるのを止めて

「ああ、忘れていた」

と言い毛布の中から

一匹の猫を引きずり出した。

猫は、ニャーニャーと鳴き

毛布の中に戻ろうと暴れる。




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