君とタンポポ
ごく一般的で普通な

顔立ちの青年。

だが、たれ目な目は

少し目付きが悪く

睨んでいるように見える。

そして、目の下に隈がある。

稀菜はそんな事は気にせず

もう一度だけ

「ご飯。」と言い、

手に持つコンビニ袋を前に出す。

青年は少し戸惑いながら

それを見て、口を開く。

「でっでも…」

「ご飯!」

戸惑う彼に稀菜は

無理に袋を手渡す。

「どうせ今日1日何も
食べてないんでしょ?」

「たったっ食べたよっ」

青年は必死でそう否定するが

同時に、腹が鳴る。

「ほら、おなかは
嘘をつかないわ。」

そう稀菜は言い笑う。

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