制服の中
よくある朝
中学受験を運よくパスした私の朝は、満員電車で始まる。
例えば、30人しか入らない空間があるとする。
だが、外には40人が待っている。
意地でも40人を詰め込もうと、既に空間にいた数十人は、最大限まで小さくなり、隙間を埋めて、それでも更に外からは「駅員」が無理矢理押し込もうと身体を張る。
この前なんて、通学鞄の中でビューラーが折れていた。
私は背が低いのを逆手に取り、僅かな隙間を見逃さず滑り込み、あとは「鮨詰め」の「鮨」になるだけ。
ゆったりと走り出す車窓からの眺めなんて、見えたものじゃない。
景色を眺める余裕もない代わりに、私は音楽鑑賞。
大好きな曲を聴きながら、右も左も、前も後ろも「人」しかいない空間に身を委ねる。
乗車時間は約10分。
大規模なターミナル駅に着くと、鮨らは流れるように降車し、雑魚となる。
私も当然、雑魚の1人。
この日も、なんてことない、いつもの朝だった。
例えば、30人しか入らない空間があるとする。
だが、外には40人が待っている。
意地でも40人を詰め込もうと、既に空間にいた数十人は、最大限まで小さくなり、隙間を埋めて、それでも更に外からは「駅員」が無理矢理押し込もうと身体を張る。
この前なんて、通学鞄の中でビューラーが折れていた。
私は背が低いのを逆手に取り、僅かな隙間を見逃さず滑り込み、あとは「鮨詰め」の「鮨」になるだけ。
ゆったりと走り出す車窓からの眺めなんて、見えたものじゃない。
景色を眺める余裕もない代わりに、私は音楽鑑賞。
大好きな曲を聴きながら、右も左も、前も後ろも「人」しかいない空間に身を委ねる。
乗車時間は約10分。
大規模なターミナル駅に着くと、鮨らは流れるように降車し、雑魚となる。
私も当然、雑魚の1人。
この日も、なんてことない、いつもの朝だった。