制服の中

よくある下心

私は、がむしゃらに勉強した。
ご褒美目当てなのは当然だったけど、それを先生に悟られたくはなかった。
だから、行き詰っても先生に聞きには行かず、帰国子女の友達に聞いたり。
努力している姿を見られるのが、恥ずかしかった。
「特に頑張らなくたって、これくらいの点数はとれる頭のいい子」を演じ切りたかった。


故意の赤点とバレたのもあり、残す1回の補習は免除になった。誤算。

期末試験まで、何の授業だろうと英語の教科書を読んでいた。
暗唱できるまでに読んだ。

そして、期末試験。
先生が設定した合格ラインの90点ジャストで終えた。

私の英語の評定点は、ワザととはいえ赤点を取り続けた事が響き、2,1まで落ちていた。
それが、期末で大逆転し、4,8まで上がった。
満点まで、あと少し。でも、満点を取った所で先生との接点が消えてしまう不安。

ここで自分の実力を誇示しておくのも、いいかもしれない。
これだけアピールすれば、先生の頭に私を残すことに繋がるだろう。


先生、わかってくれた?私だって頑張ればこんなもんだよ
< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop