制服の中

よくある行事

先生と電話をするようになり、最初のイベントは体育祭だった。

1A、2A、3Aが仲間になる。
全学年ごちゃ混ぜの、大トリになるリレー。
アンカーは3年生が通常だが、我が2Aの代表の奈美、和美が先輩に懇願し、なぜか私がアンカーになった。
最後の体育祭となる先輩の顔をつぶさないよう、責任重大。
他クラスのアンカーは、当然みんな3年。やや気まずい。

アンカーになることが、どういったアピールに繋がるのかはわからなかった。
それでも、奈美と和美は「池上にアピるチャンスだよ」と、大舞台となるアンカーを私に託した。奈美の方が速かったのに。

体育祭は、東京体育館にて。
さすが国際試合をする体育館だけあり、設備やシステムは申し分ない。
そんな所で、私たちは目いっぱい声を上げ、競技以外でも全力で騒いだ。
クラス対抗リレーでは、私はトップランナーだった。
スタートラインで、耳あてをして、「位置について」をするのは、池上先生だった。

先生はスタートラインに立った私を、二度見した。
数日前の電話で「私は第二走者」と話していたから。

先頭ランナーは、特に見せ場が無い。私は無難に2番目で、次のランナーにバトンを渡した。
最終的に2Aは2位で終わる。
3Aの先輩が2年の席に、喝を入れに来た。
「先輩」という生き物は、どうして勝負事になるとこんなに熱くなるのだろう。
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