制服の中
先生の授業は開口一番「体育祭、頑張ったな!」で始まった。
「おまえ、速かったな!」 そう言った先生は、みんなの前で私の頭を撫でた。

「you think that you could win? 」
「ofcourse」

みんなが拍手をし、また教室は大騒ぎになった。



部活をし、友達と購買部でデザートを食べ、帰り。
そんな平凡な生活をしながら、私の頭のどこかには必ず先生がいた。
平穏で、楽しくて、幸せ。
いつまでも続けばいい、ずっと続いて欲しいと願う。


高3になる。
先生はいつか電話で話してくれたように、高1の担任を持った。
もう、先生の授業は受けられない。

たまに廊下ですれ違ったりする程度の接触。
それは不満が募りそうだけど、私は大丈夫だった。

水曜日が、先生との電話の日だから。


夏休みに入る前の、休み時間。
窓を開けると熱気が教室に入り、窓から見える目白通りが歪んで見える。
外の暑さを愚痴りながら、休み時間は友達と雑誌を読みながら騒いでいた。

部活の後輩が仲間を引き連れ、3Hのドアを叩いた。
友達を数人連れてきた後輩は、私に用があるようだ。
水泳部の部長になっていた私へは、こうしてよく後輩が休み時間に来たから、いつもの事だと何も疑わなかった。
また部活の練習メニューの確認とか、そんな話だろう。

後輩は、色の違う名札を付けた友人を数人連れてきていた。
色からして、先生のクラスの子だ。
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