ネコをかぶる俺様
予兆??
「さは?」
「そう。沢に波で・・・」
「珍しい名字だよね。
沢波 空かぁ・・・」
親友の舞(まい)が
私の前の席で、
携帯をいじりながら
こっちに体を向けた。
「確定・・・と。
うん、よし。
登録し直し出来たよ~」
舞がそう言って
私に携帯画面を見せた。
沢波 空
私の新しい名前が
そこに映っていた。
「どうなん?
新しいお父さんは?」
「うん、なんかさ
一生懸命話かけてくれる」
「気使ってるんじゃん?
やっぱさ。
優しいよね、それって」
「だよね~」
「で?」
そういうと、
ニヤっと笑う舞。
「お兄さん・・・出来たんでしょ?
大学生だっけ?
どう?いい感じ??」
それを聞かれて、
私はぐぃっと舞の方に
顔を近づけた。
舞も机の上に
身を乗り出して
私の口元に耳を寄せた。
「それがね・・・」
私は小声で話す。
「めっちゃカッコイイんよ」
「マジで!?」