I LOVE YOU ?


「…痛く、なかった?」

「…へーき」


そう言うとスイはゆっくりと瞼を上げて瞳があたしを捕らえる。


タラシのくせに、こうやって行為を終えると心配してくるのは計算なのか分からない。

女心をわかってるのかもしれないし、無意識に言っただけかもしれない。でも毎回終わった後は腕枕をしてくれて、頭を撫でて、声をかけてくれる。



「…もう21時だから、帰らなきゃ」

「ダメ」


あたしを逃がすまいと自分の足をあたしの体に絡み付けて、ギューッと苦しくなるくらい抱きしめられる。


…我が儘だな。
その行動が可愛らしくもみえるけど。


「泊まってけよ」


また、だ。

耳元で囁かないで。ゾクゾクしちゃうから。あたしがあたしの体じゃ無くなっちゃいそうだから。


「…あ…」

「あー…ごめん、俺」


また鳴りはじめたスイの携帯のディスプレイには"恭子"とまた女の名前が表示されていた。
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