I LOVE YOU ?


…駄目。泣いちゃ、駄目。

泣いたら負けな気がするわ。


それでもどんどん溜まってくる瞳の涙は今にも溢れそうで、視界がぼやけた。


「…わぁ…男女の修羅場、生で初めて見たぁ」


女の人事のような態度にムカついた。

元はといえばアンタだってこの原因の一部なのよ。

アンタさえいなければ、今頃って…。スイとややこしくなることなんかって…。考えても無駄だけど思ってしまう。



「…帰ってくんない?」

「そーだよぉ、別れるならさっさと別れちゃってさ」

「お前だよ!」

「…え…」

「さっさと帰れよ!無関係な人間が人の話に突っ込むなっ。カンナと話してるんだから!」


スイが怒ると女は眉を寄せて顔を真っ赤にして自分の服を急いで着はじめた。


揚げ句の果てにはスイにビンタをして「スイなんか皆に捨てられちゃえ!」と台詞を吐いてでていった。



…スイも、お気の毒に。


「……ってぇ。あの糞女。早く帰れっつったのに帰らなかったのはお前だろっ…」


叩かれた頬を抑えるスイは少ししてからあたしを見た。
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