I LOVE YOU ?
目の前が真っ暗になった。
ふわっと逞しい暖かい腕に抱きしめらる。
とくん、とくん。とスイの胸元から心音が聞こえる。いつもより早く感じるのは気のせいかしら。
数分、何も喋らずただじっと抱きしめられていた。
確かに力強く抱きしめられているのに何だかとても優しく包み込むように抱きしめられているようだった。
「…好きなんだ、カンナが1番好きだよ。本当に…愛してる」
「…っく………うんっ」
「もう、カンナしか見ないから。ずっと一緒に居たいんだ」
あたしが背中に手を回すとスイは抱きしめ直した。
これが、ほしかったの。
ずっとずっと夢見てた。
いつも言葉だけで「すきだ」って、いつも口だけで約束なんて守ってくれなくて。
所詮男は、スイはその程度何だって思ってた。
"愛してる"なんて言葉がほしかったわけじゃない。
"すきだ"って"愛してる"って言うよりも、抱きしめてほしかったのよ。