I LOVE YOU ?


階段の1番端っこで、誰にも気づかれないように唇を重ね合わせる。


…見られたら騒がれるのに。


唇が離れると、次は耳元にキスを落とした。



「…授業終わったら電話ちょーだい。下の広場で待ってる」



色気のある低い声。不覚にも体が反応してしまった。


「じゃっ!頑張って!連絡まってるよーっ」


最後にチュッと触れるだけのキスをして、スイは何処かへ行った。



あたしは携帯を開き時間を見る。

早く急がないと出席を取り始める。


教室に向かってる途中、遠くでアイツを見つけた。



「…なんで、付き合ってるんだろう」


スイの隣にいたのはキャピキャピしたギャル系の女の子。

会う度、見かける度、アイツの隣にいるのは"女の子"。



あたしは彼女でも恋人でもないかもしれないね。

セフレなのかも。
きっとあたしはオモチャだもの。



「…あ、授業始まっちゃった」


授業開始のチャイムが響き渡る。


あたしは急ぎ足で教室に向かった。





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