思う空*運命の人

倉庫のドアを開けた瞬間、凄まじい爆音が響いた。

地響きがするぐらいの音。
これじゃあ鼓膜が破れるよ!

でも皆、龍也さんに気が付くと、爆音は無くなり雑談の声だけになった。

「行くぞ」

そう言い歩き出した。


龍也さんが通るたび、ここに居る1人1人が頭をさげ、声をかける。

「龍也さんお帰りなさい」
だったり
「さっき奏斗さんが騒いでました!!」
だったり色々だ。

それに龍也さんは
「あぁ」とか「そうか」などと答えていた。

さっきと表情が全然違う。
これが総長…

ここに居る大勢の人が、龍也さんに憧れ、従い、一緒にいたい。そう思っているのだろう…

所詮、そんなの直ぐに壊れる。
そのうち皆いなくなるんだ…



そんな事を考えてる自分が、どれだけ汚れているか良く分かる。

でも、もう駄目なんだ…

変える事が出来ない…



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