ありふれた
ガンッ
「っ痛!?」

「やることが幼稚なのよ! ほら、まだあの子見てるじゃない!」

こ、こいつ、スネを蹴られた奴の気持ちわかんないだろ…
俺は今、佐藤くんより
川の向こうのじいちゃん見えるぞ…

「そこのきみ! もういいわよ! 行っていいわよ!」
それを聞いた佐藤くんは、戸惑いながらも帰っていった


くっそ、麗の注意が向こうに向いていたのに、

こうなったら、堂々と逃げてやる、

「麗、俺逃げます」

「は?なにいってんの? そんなことさせるわけ無いでしょ?」

「お前、 麗、言っておくが、百メートル15秒の俺に敵うとでも?」

「自慢するほどじゃないからね、それ」

「アディオス!」

そそくさと逃げたが、後ろから麗が放った『オメガレイ』によって、俺の体はズタズタに…

「変えんな!私そんな凶悪な技持って無いから! つかあんたホントに遅いわね。」

「お前が早いんだよ…… その脚、ヘイストでもかかってんじゃねえか?」
「蹴るわよ?」

「はい、『蹴るわよ』二回目いただきました」

バキッ

「痛い!?」

「あんたねぇ、私でからかうのいい加減にしなさい、」

「なぁ、麗」

「な…なによ、改まっちゃって」

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