また、いつか。
あれから、7年の月日が経った。
「ん〜っ!久しぶりの日本は、やっぱりいいな♪」
空港の外に出て、太陽に向かって伸びをする。
「ハル、早く乗りなさい」
「は〜い」
私、山口春菜。
あだ名は、ハル。
高校1年生のごく普通の女の子。
貿易会社に勤めているお父さんの仕事の事情により、3年ごとに日本とニューヨークを行き来している。
そして、今日から3年間日本での生活がスタートする。
「ね、私高校どこ行くの?」
「遼東学園高校だよ、お父さんとお母さんの母校」
「ふ〜ん、制服可愛い?」
「今年から、制服が変わって凄い可愛いわよ」
「マジ!?超楽しみ!!」
正直、制服とかしか興味ない。
私は高校で友達を作りたいとかそういう感情はなかった。
大切な人との別れが、辛いことを誰よりも知っているから。
3年後には、ニューヨークに戻る。
わかっているから、人に深入りはしない。
上辺だけの仲でいい。
キミたちと出会うまでは、ずっとそう思っていた。