また、いつか。
青いユニフォームに身を包み、フィールドを駆け巡る彼らの姿を見るとふと7年前の出来事を思い出す。
あの子、今頃何しているんだろう……?
「ハル、何外見てるの。早く行くわよ」
「はーい」
私は、再び理事長室へと向かった。
――――コンコン
「山口です」
「はい、どうぞ」
「失礼します」
お母さんの後を黙って私は、ついて行った。
部屋に入ると、そこは幼いころ学園ドラマで見た理事長室そのものだった。
「やあ、久しぶりだね」
「ご無沙汰しております」
お母さんは、深くお辞儀をした。
「君の娘さんかい?」
「そうです、ほらハルご挨拶して」
私は、下を向いていた顔をあげた。
そこには、白髪混じりの優しい顔をしたおじいさんが居た。
「はじめまして。山口春菜です。よろしくお願いします」
理事長は、微笑みながら私の顔を見た。
「お母さんにそっくりな美人さんだ。これから、よろしくね」
「はい、お願いします」
私は、微笑みお辞儀をした。
お母さんと理事長が他愛のない会話をしている間、窓から見えるフィールドを眺めた。