また、いつか。

「では、春菜さん。これが、我が遼東学園の制服です」

理事長の声により、我に返り目の前に置かれた制服に目を向けた。

「かわいい!!」

まず、初めに出たのはその一言だった。

チェック柄のスカートに紺のブレザーそして、うすピンク色のリボン。

春は、白のベストを併用して着るらしい。

日本の制服は、ニューヨークでもよく雑誌などで取り上げられていた。

憧れだった日本の制服が着られて、すごい嬉しかった。

「では、これからよろしくお願いします」

お母さんに続いて私もお辞儀をし、理事長室を後にした。

「日本の制服って、やっぱかわいいね」

「そうね」

「あ……」

「どうしたの?」

私は、足を止めて先ほど見ていた彼らを再び見た。

「ううん。あんな楽しそうな高校生活、すごい羨ましいなって」

「できるわよ」

「だと良いけど……」

しばらく、彼らの姿を眺めていた。

何が楽しいかは、わからないけどずっと笑っている。

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