また、いつか。

眺めていた彼らが、急に近くに感じ我に返った。

もしかして、怪しまれた??

「ね、君もしかして転校生?」

「えっ!?」

いきなり、背の高い青いユニフォームを着た男子に声をかけられた。

「ほらー、びっくりしたじゃない」

色黒の女の子が、腕を組みながら彼に話しかける。

「だってさ……」

その彼は、少し拗ねた様子だ。

「これじゃ、ナンパだな」

ボソっと色白の男子がつぶやく。

「「ははは」」

目の前にいる5人が一斉に笑いだした。

まるで、どこかの学園ドラマの笑いのシーンを見ているようだ。

「ほら、お前らが変なこと言うからこの子、戸惑ってるじゃねーかよ」

彼は、あせりながら小さく「悪いな」と私にしか聞こえないくらいの小さな声で誤ってきた。
< 16 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop