また、いつか。
「うーん…これって微妙?」
自分の部屋に置いてある全身鏡とにらめっこをしている。
「これも、なんか違うし…あ~昨日のうちに決めとけばよかった」
ベットに無造作に置かれた服を見ながら深くため息をつく。
「よし、海翔に選んでもらおう!!」
中1ながら、かなりのファッションセンスを持っていて悩むといつも海翔に選んでもらっている。
海翔を呼ぶと、海翔はすぐさま服を選んだ。
「これで良いと思う」
海翔が選んだのは、白い花柄のワンピースだった。
「これじゃ、気合い入れすぎじゃない?」
「大丈夫、大丈夫。今年の流行は、そういう女の子らしいものが流行ってるからな」
「知らなかった、髪はただ巻くだけでいいよね?」
「ダメダメ、少し編みこみを加えた方がかわいいと思う」
海翔は、得意げに話す。
「てか、まだ日本に戻ってきて4日しか経ってないのになんでそんなに詳しいのよ」
昔から、おしゃれには敏感だったとはいえ4日で流行をとらえるのはおかしい。
「いや、昨日姉ちゃんが友達と遊んでいる間に母さんと渋谷に買い物に行ったんだ。そしたら、みんなふわふわしてたから、なんとなくな」
「す、すごい」
我弟ながら、凄いと思ってしまう。
「だから、姉ちゃんもいい加減Tシャツに短パンはNYがじゃないから卒業して、こういうおしゃれにめざめたら?じゃ、俺は翔の家に遊びに行ってくるから」
翔というのは、カズの弟。
海翔と同級生で顔はカズにそっくりなのだが性格は、真逆でクール。
って、そんな説明してる場合じゃない。
「