君が落とした青空

だってもうどうしようもない。
今を変えることは出来ないし、修弥の気持ちも分からないし、自分の気持ちも分からない。


これ以上苦しい思いはしたくないんだ。


「俺、ちょっと用事出来たんだけど…」

「うん」

いいよもう。
もういいんだ。

どんなに今を回避したところで過去には戻れない。私の気持ちも、多分修弥の気持ちも。



だからもういいの。
楽になりたいんだ。

修弥だってもう、面倒くさいでしょう?


無理するのはやめようよ。



「実結?」

何でか心が軽くなって、笑顔が零れた。だけど泣いているようにも感じた。

心の中で何かが。
これが、情なのかもしれない。

愛情とは――きっと違うね。
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