君が落とした青空
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「――…!」
ばっと目が開いて、そこは、私の部屋の、いつもの天井が私を見下ろしていた。
声が出ない。
まるで今まで息を止めていたかのように息苦しさが残って、乱れたままの呼吸。
体は汗でべっとりとしていた。
――くり、かえした?
ベッドに横たわったまま、目だけで部屋中を見渡して確認をした。
いつもの私の部屋。
窓から見える空は、いつものように、雨。
そしてやっと、大きく息を吐き出した。
怖かった。
もう、戻らないんじゃないかと、そう思った。
あんな風に終わるのは、嫌だ。
ゆっくりと目をつむって、深く深呼吸をして体を起こす。まだ不思議な感覚だ。
ベッドの上に三角に座って顔を埋めて何度も何度も深呼吸を繰り返す。
心臓の音も未だ乱れて落ち着かない。
少しずつ少しずつ落ち着き始める体を抱きかかえながら「――よかった」そう呟いた。
本当に――…良かった。