君が落とした青空
「なに、これ」
声が震える。
何で震えてるんだろうかと思いながら。
「何って、朝ご飯よ」
そんなもの見れば分かる。
なんで――夢と同じご飯なのかを聞いているんだけど…そんなこと聞いても分かるはずない。
「さっさと食べなさい」
母の声に、のろのろとカレーから視線を移すことなく席に座った。
昨日の晩ご飯がカレーだったから、だから無意識に夢で見たんだろうか。
別におかしな事じゃない。
だって夢だ。
たまたま同じような夢を見たって…普通の事じゃないけど。だけどまあ…あるかもしれない。
ある…のかな。
「今日って何曜日だっけ?」
目の前のスプーンに手を伸ばしながら、慌ただしく動き回る母に声を掛けた。
「カレンダー見なさいよ」
それどころではないと言うように投げられた言葉。電話横のカレンダーに目を移すけれど…
私だって今日が何曜日か、そんなことは分かってる。
ただ――私の感覚が合っているのか知りたかっただけだ。